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続 ホトトギス [植物 雑記]

先月、ホトトギス開花の一稿を紹介したが、それにつづいてこのところ自花ホトトギスと

ジョウロウホトトギスが黄花を咲かせている。

花ホトトギスは、山地にごく一般に生えるヤマジノホトトギスの一変種で、同じように山地に

自生している。

手元にあるのはどこで採取したか記憶が無いから、多分飛騨の園芸家からもらったものだろう。

これを、伊豆へ行ったときに分けてもらった火山熔岩に、ケト土で植えた石植えで、

毎年矢かさず白いかわいい花をつけてくれている。

野生は30センチ~50センチの高さのものだが、石植えにするとせいぜい5センチ~8セン地の矮性

で開花する。時期的に同じ石植えで白色のダイモンジソウが咲くから、両方の可憐な白花が競い

合うように咲いて、いっそうかわいい。これが咲き終わると中秋から晩秋へと季節が移行する。


もうひとつのジョウロウホトトギスは、普通、ホトトギスとよばれるものや、ヤマ ジノホトトギス、

白花ホトトギスと形態が違って、上に向けて花が咲くのではなく、下へ垂れ下がって咲く。

花の色は黄色で花びらは全開せず筒状になって咲く。

牧野富太郎博士は、土佐の山中で初めてこの花に出会ったとき、その上品な美麗さにうたれ、

上臈にちなんでジョウロウホトトギスと命名したと善かれている。

上臈というのは、昔、宮中に仕えた貴夫人のことで、腹たげた婦人という言葉があるくらい、

単に美人と言うだけでなく、年配の教養深い貴婦人というイメージがある。

この花には土佐山地と紀伊山地の二種類あり、一般に山草家に栽培されているのは紀伊産が多い。


わが家のものも紀伊ジョウロウホトトギスで、これは豊中の亡義兄から頂戴したものを

殖やしたものだ。ただ夏の日焼けに弱く炎天下にさらすと、チリチリと葉が巻いて次々と落葉してしまう。

それでも開花することはあるが、貧相な花で鑑賞に堪えな い。みずみずしい葉を持続させるのは、

適当な日陰と欠かせない潅水だが、暑いときだけに手入れはおろそかになりやすい。

年年、梅雨明げとともに鉢を移動して対応するのだが適時的確とはいかず、後手後手にまわって

結局葉なしホトトギスの運命を繰り返している。今年も例年どおりで、6鉢あって開花したのは

わずかにⅠ本、それでも気息奄々ながらも黄色い花をたれ下げて、目の保養をさせてくれている。

来年こそ来年こそと、言いたいところだが、自信をもっては言えないから、これは広言しない

ことにしている。


このジョウロウホトトギスをこよなく愛したのが今は亡き義兄で、この花を写生てて残されている。

それを甥の長男が写真に撮影されたものを、わが家でも一枚いただいている。ほかにも春の

イカリソウ、ニリンソウの写真もいただいた。

このほか義兄の筆になる白花マンジュシヤゲの水彩画の色紙を頂いていて、毎年、

秋のお彼岸になると、この色紙が、そしてそれが過ぎるとジョウロウホトトギスの写真が玄関を

飾っている。これはここ数年わが家の慣例になっている。


年年植え替え時には、空鉢が増えるというわが家の山野草も、昨年辺りから、去るモノは去って、

残留のモノだげが安定して生きのびている。きびしい環境を経て残っただけに、

これからはそう去るモノはそういないだろう。


一連のホトトギスとダイモンジソウが咲き,終わって、秋の山野草のシーズンは終わり、その後は

植え替えの時期になる。

狭い庭を眺めると、菊の花がそろそろ蕾を膨らませている。敬老の日に突然来聾した招かざる客に、

葉のすべてを食い荒らされたカエデも、新しい葉を回復させているが毎年の紅葉は望むべくもない。

庭木では桜がそろそろ黄葉に変わっで落葉準備に入り、シヤクチゲの花芽もしっかりとこぶしを

握って頑張っている。

他の木々もそれぞれに冬を迎える準備しているのがよくわかる。

本日10日は快晴、いよいよ秋も深まっていく。



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