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トンボ [植物 雑記]

日本人が後世に伝えたい歌のべストテンに、

いやべストスリーにあげられているのが三木露風作詞、

山田耕作作曲の「赤トンボ」だと言う。


これはどこの放送局の調査アンケートも同じだというから、

すばらしく日本人の心をとらえた名曲と言える。

題材が日本全国に見られるトンボなのが、

親しまれる理由のひとつでもあろう。


私のような都会育ちのものでも、幼いころから身近な昆虫として、

真夏の蝉とともに深く接してきた。


小学生時代には、昆虫採取の対象として捕虫網を手にして、

近くの雑木林から原っぱを駆けずり回ったものだ。


水系が発達している日本だから至るところに飛んでいて、

トンボ捕りは子供には欠かせない楽しみでもあった。


トンボの中で一番人気があったのはオニヤンマという

大形のトンボで、これを捕らえると自慢ができて嬉しかったものだ。


捕らえ方はいろいろあったが、代表的なものは、小石を紙に包んで

50~60㌢ほどの糸の両端に結んで、飛んでいるオニヤンマ

目がけて空中へ投げると、オニヤンマは餌かと思って近寄る。

そして糸に絡まって落ちるという寸法で、下で待っていて

捕らえるのだが、時には紙が破れて小石が落ちたりする失敗もあった。


この捕り方は夕方より日盛りのときの方が好成績だったように

記憶しているが、いかがなものだろう。

経験のある方のお説をお聞かせいただきたい。


そのほかにも鳥モチを竹の先につげて振り回したり、

杭の先にとまっているトンボの前方から人差し指をぐるぐる回し

ながら近づき、それにつられてメンタマ(目の玉)を回している

トンボを素手で捕まえる方法もあったが、これは効率は悪かった。


まあ、このほかにも土地土地によっていろんな方法があったと思う。

樹木にとまったものを捕虫網でかぶせるだけの蝉捕りと違って、

トンボ捕りにはトンボ釣りと言う言葉もあるくらい、

いろんな捕り方が子供心を刺敵して楽しませてくれた。


加賀の千代女の「とんほ釣り今日はどこまでいったやら」という

句があるほど、夢中になればつい足が遠方にまでのびたもの。

それほど楽しい子供達の夏の行事だったのだが、現在でほ農薬や、

環境の変化でこうした子供達の姿を見ることができなくなった。

寂しいと言えば寂しいが、トンボ自体が激減しているようだから、

このほうが良いのかも知れない。


私庭にも、毎夏幾種類かのトンボが夏の初めから秋の終わりころまで

飛んで来てくれ、中にはキキョウの蕾を傷つげて開花を阻害する

ワルもいたが、今年はこの暑きにトンボも辟易したのか、

たまにしか姿を見せていない。


さて、トンボは昔から日本人には親しまれて来たから、トンボのほかに

秋津虫、秋あかね、とんぽうなどの呼び方がある。


種類も山トンボ、鬼ヤンマ、銀ヤンマ、青トンボ、赤トンボ、

麦藁トンボ、茜トンボ、秋あかね、深山あかねなど種類が多い。


一般によく見られるのは塩辛トンボである。


だいたいに、暖地では4月の末ころから塩辛トンボが現れ

以後次々と姿を見せる。



オニヤシマなど大形のトンボはその後になる。

そうして秋の赤トンボとなってトンボシーズンにピリオドがうたれる。



俳句の季語でトンボは秋の季題に入っているが、

赤トンボはともかくとして他のものはどうみても秋ではない。


日本でほ古くから、トンボの飛ぶ姿を「勇ましい姿」としてとらえ、

武具のデザインに好んで用いられてきた。

ところがアメリカやヨーロツパで悪虫として嫌悪されてきていると

言う。

どんな理由かは知らないが、あるいは水中のヤゴ時代の悪食生活ぶり

から連想されたものかも知れない。



話は変わるが、トンボと言うと、トンボ玉を連想する人もいると思う。

トンボ玉は簡単に言えばガラス性の装飾玉だが、形がトンボの

目玉に大きさと形が似ていて名付けられたもの。

創製は紀元前と古く、以後断続して現代に続いている。


産地は、古いものはメソポタミア、エジプト、地中海東岸で、

変幻自在の色模様が作られ、つづいて西アジアで作られた。


近世ではl7世紀にヴェネチア・オランダ中国・日本で作られている。


日本ではオランダ玉をまねて始まった江戸トンボ玉は、

アイヌとの交易玉として広く使われ人気があった。



台湾のパイワン族の装身具として使われていたトンボ玉は、

原産地が不明なものが多く、そのぶん希少的価値が高かった。

ヴェネチア王、オランダ玉も多かった。


トンボ玉を書き出すと長くなるし、本題とは直接関係無い

ことだからこれで終わる


が、現在も東京・大阪で作られているようだし、輸入品も多いから、

ご婦人がたの胸を飾っているのではと思うが、外出もせずでは

お目にかかる機会がないのは当然で、

秋になってからのお楽しみとしている。



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タグ:トンボ
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