SSブログ

北海道だけでない鈴蘭(スズラン) [植物 雑記]

スズラシを北海道特産のように思う人がけっこういるが、これは当たっていない。

また、高山植物の一つと決めている方もいるようだが、そうでもない。

北海道から九州まで、標高2000㍍くらいまでのところに自生しているから、

高原植物というべきだろう。


もともと、日本にはいくらでもあったもので、特に信州の高原地帯の霧ケ峰や美ケ原、

八ヶ岳山麓などに多い。非常に強い植物でどこにでも容易に生える。


モノの本によると、明治までは問題にされなかった草だとある。

ユリ科の多年草で、別名をキミカゲソウという。明治以来の西欧趣味から、

人気が出た植物のひとつで、日本では北海道から流行した。


北海道では荒れた放牧地に多く自生していて、むしろ毒草として牛馬も残す草で、

スズランの群生地は放牧不適地の指標になっている。その意味では好ましくないのだが、

観光的には価値が出てきて人気ものになっている。なにが幸いをもたらすものかおもしろい。


本州の山では6月に咲く。欧州では5月の花として愛玩されている。

園芸店で見かけるスズランの多くはドイツスズラシで、

葉の表面が白っぽく、花がつぶれた鐘状をしていて、

花茎の基部がうすい紫色をおびていてよく区別できる。


学者によっては、スズランには変異が多く、それらははっきりした区別にはならないと して、

日本のものと同種としている。長年の間に交配したものだろう。


北海道のスズラシが咲き始めると、毎年決まってスチュワーデスが花束を作って

老人ホームを訪ね、お年寄りを慰問したというニュースが報道される。

純白な鐘のかたちの小さな花がまとまつて垂れ下がり、ほのかな香りを漂わせるスズランは、

多分に少女趣味的な花だから、そうした慰問にはもっともふさわしい花のひとつだろう。


さて、もう10年程前になるが、三重県上野市郊外の〇〇宅を妻と訪問したとき、

ちょうどスズラシの花咲く季節で、お宅の前庭一面に咲いて芳香が漂っていた。

〇〇 氏が「スズランは放っておいても茂るし花もよく咲く。世話がいらないから楽だ。

増え過ぎて困るくらいだ」と言っていたのと、ともに印象に残っている。


わが家のスズランは15年ほど前に植えたのだが、どこから来たのかはっきりしていない。

誰かに貰ったのか、ついでに混じって来たのか、

それとも園芸店で貰ったのか、さっぱり覚えていない。


今ではホコリをかぶって小屋の隅に積んである箱の中に故事来歴を書いたノートがあると思うが、

それを確かめる意欲もない。第一スズラシには初めからそれほどの興味もわかなかったから、

今でも愛着は無い。 最初から地植えすればよかったのだろうが、

プランターやトロ箱に植えたせいか、成績良しとは言えず、

栽培容易な植物ということにはほど速かった。


昨年から玄関前の前栽の上に地植えしたら、今年はなんとか成長し多くの花をつげた。

日当たりのよい土地が一番のようだ。もっともこれは妻のしたことで、

私は現在もスズランには興味がないからノータッチというところ。

夏とともに草の中に埋もれてくるが黙って見つめている現状である。


スズランは毒草というだけあって、薬用植物としては強心利尿剤として利用されている。

本州の山にはいくらでも生えていて、そんなに珍しい植物ではない。



スポンサーリンク



nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 1

へんび

ありがとうございます。
by へんび (2015-12-28 20:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。